財布を忘れた

朝から部活で締めの挨拶が終わると同時に完全に気が抜けて、腹の減り具合がピークに達した。

この日はなぜか財布を家に忘れてしまっていたのだった。

申し訳ない気持ちともうどうしようもない空腹感が私を支配し、どうしようか悩んだ挙句、‘この時‘はなくなく友人から1000円という巨額の借金をし、キャンパス近くのスリーエフに急いだ。

 

時をさかのぼること5時間(前)、私はこの時も朝ごはんを食べずに大学に来てしまった故に、空腹が抑えきれなくなっていた。

そこで、駅近くにあった、あの伊藤忠商事と業務提携しているファミリーマートさんにお邪魔し、バンホーテンココアと蒸しパンを奪い取るように棚から取り、俊足でレジに持って行った。

リュックから財布をゴソゴソ漁ってみると、なぜーか財布の手触りのものがないことに気づく。

「あれ?」っと、そして焦りながら「すいません・・・」と言い、本気で財布を探す私。

今思えばかなり哀れな光景であった・・・。

結局、その時は生憎の雨であったので、少しその意味を含んだようなジェスチャーも含めつつ、「どこかに財布を落としてしまったみたいです・・・すいません、戻しておいてください・・・。」と美人の店員さんに嘘の口実を言い残し、怒涛の速さでファミリーマートさんを後にした。

 

しかし、これも今思えば「雨が降っている。よって財布を落とす可能性が増加する。」という論理は成立しえないし、破たんしているよなと・・とても恥ずかしかった。

 

話を戻すとスリーエフでは、それ1つで1000キロカロリー取れてしまう大学生のお供的存在、ぺヤングソース焼きそば(大)と96円の缶コーラ(大)というまさにガリによる、デブになるためのエサを買った。

 

食べた後、腹の足しにもならなかったので、吉野家さんで定番の牛丼並卵もキメた。

どうやら私は昼の恥ずかしい記憶を忘れるべく、食欲でごまかしていたらしかった。